「Eのさかな」10周年に寄せて ― 創刊までの道のり、思い出、そして感謝 ―

2016年(平成28年)3月31日に創刊した「Eのさかな」は、2026年(令和8年)3月31日に創刊10周年の節目を迎えました。これを記念し、同年3月1日に10周年記念号として「新真鯛号」(37号)を発刊いたしましたが、この場を借りて、創刊に至るまでの道のりや当時の思い出を振り返りつつ、感謝の気持ちをお伝えいたします。

弊社は1947年(昭和22年)12月の創業から現在まで、80年近く事業を継続して参りました。これは創業当初からの経営理念である「印刷を通じて地域社会に貢献する」を実直に守り、地域との結び付きを大切にしてきた結果だと考えていますが、今から十数年前、「佐川印刷は未来に向けて何をすべきか、何ができるのか」を自問自答したことがあります。そして経営理念にもある地域貢献、地域振興こそが弊社の使命であり、進むべき道であることを再認識するとともに、「愛媛の代名詞である柑橘以外で、地域のお役に立ちたい」という思いを強くしました。

実は弊社には、柑橘に特化したネットショップを開設した歴史があります。ネット通販がまだ目新しかった1990年代後半のことで、当時としてはかなり挑戦的な取り組みでした。しかしその後、数多くのECサイトが立ち上がり、2010年代にはその使命はほぼ完了したと考え、新たな地域貢献、地域振興を模索するようになりました。そして私たちが暮らす愛媛は、北に広がる瀬戸内海と西に広がる宇和海の2つの海の豊かさに⽣かされていることに気が付きました。

一方、石川県で能登の“さかな文化”を発信するフリーペーパー「Fのさかな」が、2006年(平成18年)7月に創刊されたことを知りました。発行元である石川印刷株式会社(石川県七尾市)の佐味貫義社長(当時)とは以前から面識があったので、アドバイスをいただきながら、愛媛で類似の情報誌を発行することを考えましたが、弊社には発行に必要な“魚に関する専門知識”がなかったため、諦めていました。

そんな中、2015年(平成27年)6月に愛媛県農林水産部水産局の中矢惠介局長(故人)と出会いました。局長に「愛媛で魚の情報誌を作りたいんです!」と私の想いをぶつけると、「ぜひやってください。専門知識は提供します」とその場で協力を快諾してくださいました。すぐに佐味社長に連絡し、「能登に負けない豊かな海がある愛媛で、『Fのさかな』と同様のフリーペーパーを発行させていただきたい!」と伝えたところ、「分かりました。一緒に全国に“さかな文化”を広げましょう!」という心強いお言葉をいただきました。

そこから「Eのさかな」の発刊に向け、怒涛の日々がスタートしましたが、愛媛県をはじめ、水産業界関係者、飲食業界関係者の皆さまのご協力・ご尽力により、2016年(平成28年)3月31日に創刊号が発刊できました。特集記事として最初に取り上げた魚は愛媛を代表する「真鯛」。以来、10周年記念の「新真鯛号」まで10年間で37号、実に38種の⿂種を紹介してきましたが、魚を通じて、まだ知られていない愛媛の魅力を伝えることが、地域貢献、地域振興につながっていると実感しています。

最後になりますが、「Eのさかな」は読者及び地域の皆さま、愛媛県及び業界関係者の皆さまのご協⼒、ご⽀援があってこそ、ここまで成⻑することができました。あらためて皆さまの温かい応援に⼼から感謝いたします。そしてこれからも、愛媛の海と⿂の素晴らしさを伝え続け、地域の発展に貢献して参りますので、今後とも「Eのさかな」をよろしくお願い申し上げます。

 

佐川印刷株式会社 

代表取締役社長

佐 川 正 純