VOL.9 佐田岬の一本釣り漁を訪ねて 三崎漁業協同組合

九月の朝焼けの中

メロディーラインを走り

四国最西端の佐田岬半島の

漁港を訪ねた。

「今日の潮やとアジから

ハマチ狙いに変更や!」

そう語り出したのは、

三崎漁協の堀田春樹さん。

漁師歴25年のベテラン漁師は

その日の潮と風を読み、

狙う魚を変えていくらしい。

出港後の海上は、

時々晴れ間が見えるがうす曇り。

台風の影響でうねりがあり波も高い。

特に佐田岬灯台付近の漁場は

潮の流れが速く

疑似餌による一本釣りは難しい場所だが

逆にそれが三崎の漁師達の

誇りと醍醐味だそうだ。

ファインダー越しに被写体を捉えるのも

困難な波の中

華麗な手さばきでどんどんハマチを

釣り上げていく堀田さん。

もう30匹ぐらいは釣っただろう、

見事なものだ…。

漁が終わり帰港。

次々とハマチを船からいけすに

入れていく。

こうやって寝かしておくことで

魚のストレスを減らし

本来のうま味が出た美味しい状態に

魚を戻すそうだ。

「三崎の先端から運ぶと流通で

不利な面もあるが

品質を上げてブランド力を付け、

単価を上げるよう努力したい。」

力強く語る堀田さんを応援したいと

想いながら帰路に着いた。