二月の晴天の朝、大洲市肱川ふもとの漁港を訪ねた。
「長浜のフグは身が締まって旨いんよ!」
そう語り出したのは、長浜漁協の西岡参事さん。
フグの美味しさの秘密は、餌にあるらしい。
肱川河口は川からのミネラルが豊富な上、いろんな魚が集まり、雑食性のフグにとってはこの上ない漁場だとか…。
水揚げされたフグを見せてもらってから向かったのは漁師の竹内繁さんの船。
「多いときは一回の漁で四十匹くらい獲れたんよ。」
と言われていたが、最近は七匹前後が多いそうである。
延縄漁に使う針は全部で六百本もあり、一つ一つにサンマの切り身をつけていくそう。
「長さでいうと、ここから下灘まではあるかな?多分上灘までは届かんな。」と言って笑顔で教えてくれた。
他には、イカを餌にする場合もあるそうだ。
針と針の間の長さはリールの巻き上げに関係していて、
漁師さんごとに独特のノウハウがあるらしい。
しかし、なんともスケールの大きい漁である。
そして、長浜といえば「肱川あらし」。
「晴れた日に南風が吹くと肱川あらしが発生して、河口は極寒。
沖に出れば出るほど暖かいが。」
長浜の漁師さんたちは、寒さと戦いながら今日も沖へと船を出す。